焔猫亭

焔猫亭

ねこはいます

究極おかず玉子

強い風に煽られて髪がボッサボサになってしまったので両手で掻き上げたその時、正面から小学生2人がダッシュしてきて脇を擦り抜けるコースを取ったため体を捻って回避したら、

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意図せず変態仮面みたいなポーズになりました。

朝から何やってんだろう俺。

 

さていわゆるTKG、玉子かけごはんに不満ってありませんか?

自分としては、溶き玉子の液質がゆるいので、どんどん玉子がメシの下に落ちていってしまい、口にいれるエリアは玉子とメシの玉子比率が下がるし、落ちた底のほうはメシがふやけるのが不満です。

あと生玉子のうまみって主に黄身なので、白身で薄められてしまうのも難点。かといって黄身かけごはんだと濃すぎるし、白身どうすんだ?という問題があります。

今回の解決策は、結果的に目指したのは美味しんぼ海原雄山が紹介してた食べ方で、半熟ゆで玉子かけごはんとでも言いましょうか。

 

まず半熟ゆで玉子なんですが、ちょっと精密に作ります。欲しいのは「そこそこ火の通った白身」「ゆるめの白身」「ほんのり火の通った黄身」です。

このあたり追求していくとかなり難物で、つまり白身と黄身では凝固する温度が違い、黄身のほうが低温で凝固しはじめます。

これが何を意味するかというと、一定温度を保つだけでは↑のような玉子にアジャストできないということです。

黄身がギリ固まる温度にすると白身が全部デロデロのままで、白身が固まる温度にすると黄身は完全かた茹でになってしまう。つまり今回anovaくんの出番はありません。万物には、出来ることと出来ないことがあります。

じゃあどうするのか?

つまるところシークエンスとして、先に白身を固め、その温度が黄身に伝わりきらないうちに玉子全体の温度を下げる必要があります。

学術的にもこのへんのノウハウは研究されていて、ちゃんと数式もあります。このページが詳しくていいですねというか、作り方もここに習ってフィックスしました。

 

言葉はそろそろいいので工程に行きましょう。

まず玉子の尻に穴をあけます。

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画鋲とか使うといいですね。

これは黄身をなるべくセンターに寄せるためです。

玉子の構造はこの辺参照ですが、この気室ってヤツがつぶれるとその分カラザが引っ張られて黄身がセンターに来やすい。

 

茹で玉子は温度コントロールが命、というか再現性のためには温度条件の厳守が命。ということで、玉子は使うギリまで冷蔵庫ですね。

そして沸騰した湯に入れます。

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水から茹でる流派もありますが、初期水温と量と火加減で沸騰までの時間が変わるので自分は苦手です。あと時間がけっこうかかる。

玉子入れるときは、ざるとか使うと鍋底に玉子が激突して殻が割れるのを防げます。

茹でる時間は5分30秒。絶対厳守。

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茹でてる間はなるべく玉子をぐるんぐるんしましょう。黄身をセンターに寄せたいのは火の通りを均一にしたいからでもあります。

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5m30sたったら即座に氷水にぶち込みます。

玉子全体の温度を一気に下げることで、火の通った白身から黄身へ温度が伝わるのを防ぎます。

十分冷めたところで殻をむいて、

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白身を剥がして、慎重に黄身を取り出します。

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今回はちょっと黄身に火が入りすぎました。

本来はもっと生寄りです。まいっか。

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白身を細かく刻みます。

包丁2本使うと一瞬です。チタタプって言え。

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小皿に移して黄身を乗っけます。

客に出すならこのスタイルですね。

食べるときは、

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醤油をひと回しして、黄身を崩して、

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ごはんにのっけて食います。

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エクセレント!(I.Q.final的に)

 

黄身の濃さを味わえつつ、白身も堪能でき、メシに沈まないので玉子メシ比率を好きにできます。

巷のTKGはラー油だのフライドオニオンだの、トッピングを加える傾向にありますが、ちゃんと玉子をエクストリーム化すれば、醤油だけで幸せになれるんだよと声を大にして言いたい。

まあTKGと比べるとアホみたいに手間がかかるのが難点ですけど、茹で玉子作ろうってときはこういうおかずに気力転身!するのもアリなのでは。

5m30sからの展開で、ベストゆで玉子にも派生するんですが、写真撮り忘れたので今度作ったとき記事に載せます。載せないかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぜ豆腐

豆腐をかなり食べたい。

しかし冷奴というのも芸がない、とはいえ火を使うほどの手間も掛けたくない、というときはよくこうします。

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自分はもめん原理主義者です。

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上から塩、ごま油、お好みでチューブにんにく。

塩がなんか赤いのは、そういう岩塩だからです。ピンクソルトだかヒマラヤ岩塩とか。別にオシャレで使っているわけではないのですが、買っちゃったからには使わないと程度なので食卓塩でも十分でしょう。

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スプーンか何かでつぶして混ぜます。

ここに何か適当にトッピングして食べます。

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個人的には穂先メンマが相性良さげ。

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フライドオニオン。

よく見たら賞味期限が1年前で、ビビって新しいの開けました。

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フムー。

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ごま油で口当たりが変わり、するする入ります。

 

トッピング次第ではごはんにぶっかけてガシガシいくのもアリなんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

さつまいもの極限値・追記

まずはこれを見てください。

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見事なモノだとは思いませんか?

これまであまりイモの品種にはこだわりが無かった、というか「そら安納芋とか鳴門金時とか、ブランドものは高い分うまくて当然やろ」とか思っていて、八百屋で品種すら書かれない程度のやっすいイモを極限化してこそだろうと思っていました。

逆にいえば、高価であるぶんステータスも同等にかけ離れて違うという意識があり、安いイモは品種違ったところでドングリの背比べと思い込んでいました。

違った。

このイモは紅まさり。

よく店先に並ぶのはほとんどが紅はるかで、今までは意識せずソレで極限値追求をしていたわけですが、先日出会ったコイツはなんと紅はるかと等価かやや安いにも関わらず、極限化したときの出来がワンランク違います。

甘く、そして水分も十分。しかしネバつく質感ではなく、何というか蜜が染み出すような食感です。

 

紅まさりは今のところ、駅前のスーパーでしか見かけていません。これからも継続して調達できるか謎。

なので仕入れの安定感としては紅はるかに譲る面があるでしょうが、 個人的にはこれがベストと言いたい。

 

ちなみに安納芋もやりました。

メソッドは同じ(ホイペ180℃90分)でいいらしい。

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確かにうまいんですが、コストがかかる。

クオリティ的には紅まさりに近いというか、むしろ紅まさりが安納芋に近いステージにいると評するべきでしょう。

 

 

 

そら豆塩茹で時間

賛否両論あるとは思うんですけど、自分は啜磨専科の汁なし坦々麺好きですよ?

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焼きそら豆は前にやって、やはり塩茹でがラクかつベストちゃうかみたいに書きましたが、そういえば茹で時間を注意して決めてたので記録しておきます。

結論からいってmax3分です。

 

新物のそら豆が安くなってきました。

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3パックぶん剥くとこのくらい。

サヤのボリュームの割に収量が少なく、でかい粒はせいぜい1〜2個でした。やはり旬を迎える初夏のが歩留まりいいですね。

なんかサヤばらして1粒程度だと「剥き済みパック買ってきてもよかったんじゃ?」って思います。というか収量に対してゴミ(サヤ殻)がべらぼうに多い。効率/ロマンのさじ加減はあなた次第です。

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尻のどこかに切れ目をいれておきます。

塩味つけたいのと、あとで剥きやすくしたい。

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塩加減は濃いめでmax3分。

食感的に瑞々しいというか、プリッと感が維持できるボーダーラインで、これ以上いくとボソると思います。

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茹で上がりを剥いたところです。

いいヒスイ色ですね。

そら豆は独特のにおいがあるので好き嫌い分かれると思いますけど、自分は美味とおもいます。

 

 

 

さつまいもの極限値

先に結論。

濡らしたキッチンペーパーとアルミホイルで包み、オーブン予熱なし180℃90〜100分です。

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幼少の頃、ふかしイモが苦手でした。

ここで云うふかしイモとは、さつまいもを濡らしてラップしてレンチンしたものですが、これがもう口の中パッサパサになって牛乳とかバターとか口滑りのよいものと一緒じゃないと難儀するんです。

でも汁物として煮たり、レモン汁とレーズンとで煮たモノは水分を含んでいて美味しいと感じていたワケで。

なので当時は「さつまいもはただ加熱するだけではパッサパサになる→必ず水分と煮ないとダメ」というロジックが形成されており、自分で賄えるおやつ的ポジションではじゃがいもにニッチを奪われていました。

しかしある時、市販の焼き芋を食べたとき「なぜ焼き芋は水分とともに加熱してないのに、パッサパサにならないのか?」という疑問が生まれ、ロジック修正をしたのが高校生くらいだったような気がします。

 

それから幾星霜。

さつまいも食べたいときはオーブン調理で適当に済ましていたんですが、せっかくブログも付けてることだし、ちょっと追求してみました。

 

クックなパッドを参照してみると、だいたい

        温度→160〜200℃

        時間→40〜90分

くらいの条件の組み合わせでバラバラとあります。

また、温度と時間以前のセッティングにも、

        濡らす/らさない

        新聞紙orキッチンペーパーで包む/まない

        アルミホイルで包む/まない

という作法があるようです。

なので色々パターンを変えてみたんですが、おおむね不満点を抱える結果になりました。

 

180℃ 裸のまま 90分・・・外がカラカラ

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160℃ ホイル 60分・・・まだ中シャリシャリ

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180℃ ホイル 100分・・・水気多く、きんとん化

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180℃ホイル・ペーパー 90分・・・うまくきんとん化

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180℃90〜100分が比較的よいカンジです。いわゆるねっとり系にシフトしている。

ホイルだけでも状態変化としては問題なさげですが、中に水分がこもり煮イモに近いです。

 

90分のときはこの辺を改良して、

  ・濡れキッチンペーパーで包んで水分分布を均等化

  ・ホイルの両端を開放して湯気口を作る

ということをした結果、ベチャることなく出来ました。経験値的にはこれがベストですね。湯気口は良いアイデアでした。ありがとう、名も知らぬ電子の旅人り

 

では科学的にはどこがベストか。

そこでこちらの論文を参考にしました。

つまりイモの下処理というか予熱をすることで、βアミラーゼによる糖化を均質かつ迅速に進行させるというものですね。

 

まずは50℃に予熱、1時間。

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ここはAnovaくんに仕切ってもらいました。

まずは論文での最適値どおり、250℃で60分いったものがこちらです。

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すさまじく甘いです。

ねっとりというか、更に粘度が上がってねっちり感のステージにいます。これはやはり高温によって水分が飛び、濃度が上がっているためでしょう。

 

直前までの経験値で、ホイペ180℃90分もやった。

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水分を保持しつつ、甘い仕上がりです。

250℃と比べるとほんの少し甘さは詰めきれないか?というところですが、ほぼ個体差のレベルでしょう。

やはり水分保持のほうが食べやすい。

 

総評しましょう。

もう冒頭に書いてますけど、総合成績としてはオーブン一発勝負であるところの、

・予熱なし180℃ ホイペ 90分

です。

甘さという点では50℃予熱組が最強なんですが、トータル調理時間が2〜3時間というのはかなり手間です。完全放置3時間ならまだしもAnova→オーブンへの移行工程があるので・・・。休日に大量生産したいときは50℃予熱してもいいですかね。

オーブン一発勝負なら、濡れペーパーとホイルに包んだら後は放置でいいですので気楽です。何なら寝る前に仕掛けて朝食べてもいい。

 

ペーパーにバニラオイルとか仕込んだら、スイーツ化しないかなー、とかも考えてます。

イモ自体も品種変えるとどうなるんだろか。

今後の研究課題にしておきます。

 

 

 

焼きそら豆

最近ちょっとさつまいもの最適化に執心してまして。いずれ記事にするつもりでやってるんですが、ほかの余所事がだいぶ疎かになってます。

まあそれでなくても今回はシンプル。

更新途絶えてたので間に合わせともいう。

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3月になり、はしりのそら豆が店先に並んでますね。

いつもは塩茹でなんですけど、クックなパッドを見てたら焼くのもあるらしいのでやってみました。

評価するならネタ元にお願いします(責任転嫁

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そら豆はサヤの両端を切り落として、濃いめの塩水に漬けるそうです。20分くらい。

こんなんで豆本体に塩味がつくとも思えない。ぶっちゃけ直で焼いても大差ないということを後述します。

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浮くので沈めた。

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漬けたあとは、魚焼きグリルで焼きます。

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焼くのは〜分というより焦げるまでやる。

ひっくり返すのだるいですね。誰かロースターください。

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サヤから外してみるとこんな。

水吸ったサヤはかなりニュルニュルで、なおかつ焼き直後なので爆熱です。ハサミとか使うと文明人ですね。無理矢理やった自分はばかですので。

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豆をむくとこんな。

茹でとは違い、水分控えめのホクホク感があってうまいです。塩ちょっと付けて食べるとよい。

食感は好みの問題でしょうね。

 

ちなみに、予想通り塩気は中まで届きません。そら豆の皮はかなり丈夫なので・・・。これじゃ塩水漬けの工程要らないですね。

あと時間かかる、両面焦げるまで焼くのは。そもそもそら豆のサヤは分厚く、中にホワホワした層があるので熱の伝わりが鈍いです。

 

個人的には塩茹でのほうがメリットありますね。

茹でのプリっとした食感と、味付けもでき、そんでもって時間もかからない(茹で時間3〜5分)

 

まあ焼きは焼きで、このホクっと感が唯一のものです。レシピとしては覚えておくことにします。

 

 

【評価△】たまねぎのオーブン焼き

今回作ったコレは要研究というか、現状のままだと再作成はしないなというか。

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 たまねぎあるけどなかなか減らないので、じゃあたまねぎだけ食うか、と短絡しました。

ファーブル昆虫記によれば南プロヴァンス地方では生たまねぎに塩つけて齧り付くのがデザートだそうです。たぶん新たまねぎかつ品種的な違いがあるんでしょう。日本の市販のたまねぎでやったら悶絶する自信がある。

というわけでたまねぎは加熱してナンボという認識のもと、たまねぎのみを食べるべく丸焼きにしました。

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皮付きのまま使います。

オーブントレイに乗せるため、根元を平らに切っておき、頭頂部には十文字に切れ込みをいれました。

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オーブンを250℃に余熱し、30分いきます。

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するとこう。

もっと派手に焦げるかと思ったらそうでもないですね。

底部ではたまねぎの汁が溜まって焦げています。糖分があるのでそういう焦げ方をしている。

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盛ってみました。

味付けはけっこう悩んだんですけど、日本食ではないなということでマジックソルトです。洋物でこまった時はこれ。

変化も欲しいので、シュレッドチーズを少し振りました。

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うん、まあ、その、火の通ったたまねぎだよね。

決してマズいわけではないです。半ナマなところはないので特有のツンと来る感じもなく、甘みが強調されているため抵抗はない・・・

んですけど、これだけを食べ続けるにはたまねぎラブ適性が必要な気がします。自分はムリ。付け合わせで1/4玉かちょうどいいくらい。単純に飽きがくるのが早いのもありますが、オーブン使う手間と釣り合いませんね・・・。

これは決して味付けによるものではなく、たまねぎが味の主体であるための感覚と判断します。

風味的にチーズはかなり合うので、組み合わせを閃いた人は天才だと思います。

 

結論。

焔猫亭としてはたまねぎは主演ではなく、あくまで助演で料理を支える存在である、と改めて定義されました。

このラインを越えるためには、素材か工程的に何らかのテコ入れが必要です。というかオーブン焼きはやめて、素直に輪切りをフライパンでソテーするのが安定なのでは?