さつまいもの極限値
先に結論。
濡らしたキッチンペーパーとアルミホイルで包み、オーブン予熱なし180℃90〜100分です。
幼少の頃、ふかしイモが苦手でした。
ここで云うふかしイモとは、さつまいもを濡らしてラップしてレンチンしたものですが、これがもう口の中パッサパサになって牛乳とかバターとか口滑りのよいものと一緒じゃないと難儀するんです。
でも汁物として煮たり、レモン汁とレーズンとで煮たモノは水分を含んでいて美味しいと感じていたワケで。
なので当時は「さつまいもはただ加熱するだけではパッサパサになる→必ず水分と煮ないとダメ」というロジックが形成されており、自分で賄えるおやつ的ポジションではじゃがいもにニッチを奪われていました。
しかしある時、市販の焼き芋を食べたとき「なぜ焼き芋は水分とともに加熱してないのに、パッサパサにならないのか?」という疑問が生まれ、ロジック修正をしたのが高校生くらいだったような気がします。
それから幾星霜。
さつまいも食べたいときはオーブン調理で適当に済ましていたんですが、せっかくブログも付けてることだし、ちょっと追求してみました。
クックなパッドを参照してみると、だいたい
温度→160〜200℃
時間→40〜90分
くらいの条件の組み合わせでバラバラとあります。
また、温度と時間以前のセッティングにも、
濡らす/らさない
新聞紙orキッチンペーパーで包む/まない
アルミホイルで包む/まない
という作法があるようです。
なので色々パターンを変えてみたんですが、おおむね不満点を抱える結果になりました。
180℃ 裸のまま 90分・・・外がカラカラ
160℃ ホイル 60分・・・まだ中シャリシャリ
180℃ ホイル 100分・・・水気多く、きんとん化
180℃ホイル・ペーパー 90分・・・うまくきんとん化
180℃90〜100分が比較的よいカンジです。いわゆるねっとり系にシフトしている。
ホイルだけでも状態変化としては問題なさげですが、中に水分がこもり煮イモに近いです。
90分のときはこの辺を改良して、
・濡れキッチンペーパーで包んで水分分布を均等化
・ホイルの両端を開放して湯気口を作る
ということをした結果、ベチャることなく出来ました。経験値的にはこれがベストですね。湯気口は良いアイデアでした。ありがとう、名も知らぬ電子の旅人り
では科学的にはどこがベストか。
そこでこちらの論文を参考にしました。
つまりイモの下処理というか予熱をすることで、βアミラーゼによる糖化を均質かつ迅速に進行させるというものですね。
まずは50℃に予熱、1時間。
ここはAnovaくんに仕切ってもらいました。
まずは論文での最適値どおり、250℃で60分いったものがこちらです。
すさまじく甘いです。
ねっとりというか、更に粘度が上がってねっちり感のステージにいます。これはやはり高温によって水分が飛び、濃度が上がっているためでしょう。
直前までの経験値で、ホイペ180℃90分もやった。
水分を保持しつつ、甘い仕上がりです。
250℃と比べるとほんの少し甘さは詰めきれないか?というところですが、ほぼ個体差のレベルでしょう。
やはり水分保持のほうが食べやすい。
総評しましょう。
もう冒頭に書いてますけど、総合成績としてはオーブン一発勝負であるところの、
・予熱なし180℃ ホイペ 90分
です。
甘さという点では50℃予熱組が最強なんですが、トータル調理時間が2〜3時間というのはかなり手間です。完全放置3時間ならまだしもAnova→オーブンへの移行工程があるので・・・。休日に大量生産したいときは50℃予熱してもいいですかね。
オーブン一発勝負なら、濡れペーパーとホイルに包んだら後は放置でいいですので気楽です。何なら寝る前に仕掛けて朝食べてもいい。
ペーパーにバニラオイルとか仕込んだら、スイーツ化しないかなー、とかも考えてます。
イモ自体も品種変えるとどうなるんだろか。
今後の研究課題にしておきます。